2018年2月中米②
今回はコスタリカのレポートです。
コスタリカについて
ヴォルカンアスール農園
今回コスタリカで訪れた農園の一つはウエストバレーにあるヴォルカンアスール農園です。
カフェタイムではこちらの農園で生産されたゲイシャ種やSL28種の素晴らしいコーヒーを取り扱っています。
この農園は5代目アレホさんが運営していて、昨年にはカップオブエクセレンスで2位に輝いた素晴らしい生産者です。
ヴォルカンアスールの敷地は300haですが、コーヒーの栽培面積はそのうちの100haです。残りの敷地は森林のとして管理保護されています。農園を見た後は4DWでカートで散策をしてきました。
アレホさんがコーヒーにかける情熱は非常に高く、人生の最後には「これが最高のコーヒーだ」と言いたいと語ってくださいました。
彼は土地に合ったコーヒーの品種を見極めるために様々な品種のコーヒーを試験農場で育てています。
そこにはゲイシャ種を始め、エチオピアの品種やハイブリッド種、モカ種やティピカ種など数多くのコーヒーが植えられていました。ここの土地と高い標高の影響で、高品質なコーヒーができあがるのにはまだ時期が早いのですが、いくつかの品種をカッピングさせてもらい、ポテンシャルの高さを十分に感じました。本収穫後のコーヒーが楽しみです。
処理工程の流れも確認させていただきました。
レッドハニー プロセスの工程を視察しました。
ヴォルカンアスールではこのように熟したチェリーのみを収穫することを心がけています。
この作業を丁寧におこなうことにより、後の選別作業の精度を上げることができます。
ハニープロセスとは果皮を取り除いたあと(パルピング)、水洗処理(醱酵槽にパーチメントコーヒーを貯めて、酵素反応によりムシラージを分解した後に水で洗い流す工程=ウォッシュト)をせずにムシラージを付着させたまま乾燥させる工程です。ムシラージは果肉の粘液質で甘いので蜂蜜(ハニー)のように甘いのです。
さらにハニープロセスには、ムシラージの付着度合いによりホワイトハニー、レッドハニー、ブラックハニーとそれぞれ分かれます。ムシラージが多いと乾燥後のパーチメントの色も濃くなります。
乾燥では日中の気温が高い時間帯にはカバーをして急な乾燥を防ぎます。また朝の霧からも守り、丁寧に均一な乾燥に気を配っています。
再び農園を視察します。
こちらはティピカ種です。ブルボンとならぶアラビカコーヒーの二大原種の一つです。品質の高さが素晴らしい品種ですが、耐病性や収穫量の低さにより、近年減少している品種です。しかし、チェリーの味わいは格別で、このまま高級フルーツとして販売できるのではないのかと思わすほどの甘さとトロピカルフルーツのような風味がしました。収穫後のコーヒーに期待が高まります。
続いては、近年注目をあつめるゲイシャ種のコーヒー。
下の写真からも分かる通り、チェリーの実りがとても少ない品種です。収穫量の少なさと、耐病生のなさからは価格が高くなるのも分かります。またゲイシャ種でも標高の高く、栽培に適した土地や収穫後の処理を丁寧にしなければ、あの魅力的な風味はしないのが現実です。またゲイシャ種にも、さまざまな系統があり、それぞれに外見も風味特性もことなってきます。ゲイシャは生産者にとっても消費者にとってもとても難しい品種であると言えます。
ですがここのゲイシャ種は昨年度のCOEで準優勝をしただけあり、非常に濃厚でパパイヤやメロンのような豊かな風味のするチェリーを実らせていました。こちらも収穫後のコーヒーが楽しみです。
真面目で強い情熱を持つアレホさんのコーヒーは今年も素晴らしい品質になることでしょう。
今年のカップオブエクセレンスの結果も非常に楽しみです。