この記事は2016年にダブリンで開催された、サスティナブル フォーラムでのTim Schillingの講演内容を要約したものです。
【100年後、コーヒーはまだ存在しているのでしょうか?】
2020年には今現在(2016)より、1.5億袋〜2億袋多くのコーヒーが必要だとされています。
つまり15%増しです。
2050年には消費が2倍です。需要を満たすにはさらに1.5億〜2億袋が必要です。その時には環境
はより厳しくなっていると予想されているのにです。
すでに業界は困難に直面しているのです。
2050年にはコーヒーの産地として適している場所は半減してしまいます。
この状況でこの需要を満たすのには奇跡が必要です。
では、できることは何か?
アメリカにおいてはスターバックスやネスプレッソが、またコロンビア生産者連合など様々な企
業や組織が生産者に技術や知識を与えています。剪定や肥料に関することです。
これも1つの方法だと思います。
しかし気候変動の話を持ち出すと暗い話となるでしょう。
新しい病気や高い気温、雨量などについてです。
生産方法の向上では太刀打ちできないことです。
この写真を見てください。エルサルバドルの生産者です。
彼は出来ることは全て正しく行っていましたが、農園はサビ病により完全に荒廃してしまいました。
ただ1つ、適切な品種ではなかっただけです。
この出来事は農業では常に起こっていることで、特別なことではありません。
我々はこの先、より少ない土地でより多くのコーヒーを収穫していかなくてはならないのです。
なので世界の国際的なコーヒー産業がWCR(World Coffee Research)を必要としているのです。
コーヒーの持続的な生産システムが必要なのです。
現在WCRでは35のプロジェクトがおこなわれています。
適切な土地に適切な品種を植えることを目標とするプログラムです。
この考え方は新しいものではなく、単純に繁殖(Breeding)をさせていくというものです。
遺伝子組み換えではないです。WCRは遺伝子組み替えを行いません。
では我々の計画とは?
まずは世界の需要を満たすことです。気候変動にともなう減量をカバーするということです。
- 短期的には、すでにある品種を用います。そして1番適した品種を生産者に渡します。
- 中期的には、適したところに適した品種を植えるというブリーディングです。
アラビカ種のハイブリッドを繁殖させます。それは品質と生産量にフォーカスしたものです。
- 長期的には、より未来を見据えての計画です。
ロブスタにアラビカを植えアラブスタを育成します。なぜなら遺伝的な多様性が必要だからです。
そして耐性の強いものだからでもあります。
耐性の強いアラブスタを作り、そしてそれを高品質なアラビカに継承させるのです。
ですが現時点では、生産者は現在すでにある品種から、そもそも適した品種を手にしていません。
まずはそこから始めるのです。
最近完成したSensory Lexiconはブリーディングプログラムのために使われます。
風味特性がどのように遺伝しているを測るための語彙集なのです。
そして中米南米の生産者のための品種カタログが本日発表されます。
これも無料でアクセスができる情報です。
以上