2018年4月18日から22日まで、アメリカのシアトルにてコーヒーの展示会とシンポジウムが開催されました。
今回はオーナーの糸井優子とスタッフ2名が参加して参りましたので、その模様をご紹介いたします。
Re:co Symposium
18日と19日はRe:co(Regarding:Coffee/コーヒーに関する)というシンポジウムが開催されました。
今年で10年目を迎えるこのシンポジウムは、毎年1回アメリカとヨーロッパで開催されてきました。
シンポジウムの趣旨は、スペシャルティコーヒー業界の最新の動向や課題を共有することです。それは数十年後も視野に入れた、これからのスペシャルティコーヒーについてを考えていく集まりとも言えると思います。
様々な視点からの考え方や意見、そして私たちが直面している問題などを聴くことができる、学びの多いイベントです。
今回は世界中から400名近くの参加者が来場されました。コーヒー生産者、貿易関係者、ロースター、バリスタ、科学者、NGO団体をはじめ、様々な分野のコーヒー関連企業で働く人々が参加されていました。
今回のシンポジウムでは下記の6つのテーマが掲げられました。
- コーヒー経済の現状と展望
- サスティナビリティ:目標以外の全てが変化する
- 流れの変化:多様で包括的なコーヒーのコミュニティーの創造
- 科学の力を利用する
- コーヒービジネスの現状と展望
- イノベーションの展開:どのように新しいアイデアがスペシャルティコーヒーの将来を形作っていくのか
これらのテーマに基づき、合計17名のスペシャリストが各15分ほどのプレゼンをします。
様々なデータや写真、動画も交えての講演となります。
そして各テーマごとにパネルディスカッションがおこなわれ、各々の意見が述べられていきます。
多くのプレゼンに共通するキーワードは、「サスティナビリティ(持続可能性)」であったと感じました。
気候変動の影響、新しい品種の開発、生産者のより安定した暮らし、エコなビジネスの形、コーヒーの遺伝的多様性の保持についての議論などがありましたが、これらはコーヒー業界の持続的な発展に大きく関わる内容です。
2日目の最後には、参加者同士によるディスカッションがおこなわれました。
参加者が下記の5つのテーマのうち、最も興味のある分野に別れ、さらに10名以下の小グループに別れて議論をしていきます。
- 科学
- ビジネス
- 多様性と包括
- サスティナビリティ
- 経済
私は科学の分野に参加して参りましたが、私が参加したグループで議題に上がったことは、殆どがWorld Coffee Researchが掲げる新品種についてでした。新しい品種の公平な分配やアクセス方法、予想される国家間の利害問題、遺伝的多様性のある全く新しい品種の作成についての議論が交わされました。ペルー、パナマ、インド、アメリカ、カナダ、そして日本からの参加者が様々な視点から意見を述べ合う場は、非常に刺激的でした。
ディスカッションの後には、アンケートをもとにワードクラウドを作成して、今後の議題のテーマを探し出すという作業がおこなわれました。これにより、参加者の意見も反映されることとなります。
そして5つのテーマそれぞれのキーワードの共有をして、2日間、実質14時間に渡るシンポジウムは閉会となりました。
それぞれのプレゼン内容は今後少しずつご紹介していく予定です。
次回、レポート②はSpecailty Coffee Expoについてです。